ワクチン接種が身体感覚に与える影響

今日で前半4日間、後半4日間、計8日間のロルフ・ムーブメントのトレーニングが終わりました。

毎日受講生同士でセッションを交換するのですが、これだけ集中してワークを受けるのも久しぶり。予想しなかった変化や気づきがたくさんで、とっても充実したお勉強期間でした。

特に印象深かったのは、田畑さんがワークしてくれた左腕の感覚の変化。私の体は基本的に右は緊張しやすく、左は感覚が鈍く力が入りにくい傾向があるのですが、特に左腕の上腕三頭筋は色々やってもなかなか感覚が戻らなくて思考錯誤していました。

田畑さんが見つけてくれたのは、左腕のBCG跡。「これは何か意味がありそうですね」とそこに感覚と組織の動きが戻るようにワークしてもらったら、左上腕の感覚がじわじわと戻ってきました。

ワクチン接種が身体感覚に影響する、というのは聞いていたのですが、自分のからだで体験していろいろと腑に落ちました。(本当に、実際にBCGの影響なのかということは証明できないけれど、そういう仮説の下ワークした結果、効果があった、ということは意味あることだと思っています。)

ワーク直後は血のめぐる感覚、皮膚が空気を感じる感覚が新鮮でしたが、数日経つうちにすっかりなじんで、今は前からずっとこうだったよ、という感じ。腕を動かすと、前に感じていた左肩の不安定さももうありません。また一つ、からだの中にあった空白に色が入った感じ。

他にも、過去の捻挫から感覚が薄くなっていた左足首や骨盤底もずいぶん感覚が更新されて、この後どんなふうにこの変化が統合されていくのかが楽しみです。

お勉強夏休みはこれにて終了。明日より通常営業いたします。

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ただ「からだがある」という幸せ

あれはたぶん、まだロルフィングを勉強中のころ。気持ちのいい天気の日に歩いていたら、突然「ああ、からだがある!」という感覚に襲われました。

それはさながら「水」の存在を知ったときのヘレンケラー。

身近過ぎて、当たり前すぎて、すっかり忘れ去っていたからだがあるという感覚。あまりに衝撃的過ぎて、思わずその場でしばらくぼーっとしてしまいました。

「ただからだがある」感覚。違う言い方をすると、身体感覚が生き生きと働いて、自分のからだと周囲の環境とをバランスよく認識できている状態、といったところでしょうか。

生き物としての根源的な幸せ。とくべつ成果をださなくても、ただ生きているだけで味わうことができる充足感。

あのとき私が感じたことを文字で説明するのはとても難しいのですが、自分のからだをリソースとして本当に認識した最初のできごとだったように感じます。

そうして、こういう幸せの形もあるのだということを、もし興味がある人があれば喜んでお伝えしたいと思って仕事しています。

痛みがない、というのはよくゴールに設定される方が多いのですが、それだけだとちょっともったいないな、と思って。からだがあるだけで幸せになれるって、とってもシンプルだけどどこまでも味わい深く、人生を豊かにしてくれる感覚です。

 

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手を合わせる

手を合わせる、というのは、シンプルだけどとても奥深い動作。からだのバランスがおかしいなーというとき、落ち着きたいなーというときは、よく手を合わせます。

基本は、指を伸ばして揃えて合わせる。そうして合わせた手と手を感じながら、ゆったり呼吸を観察していると、だんだん手がぽかぽかしてきて、呼吸も落ち着いてきます。

指を伸ばすことで腕、肩が背骨とつながって、すっきり通りがよくなります。手の温かさ、皮膚を感じることで、手の内在筋が目覚めて筋緊張のバランスがよくなります。(右手で左手を感じる、左手で右手を感じる、と交互にやってみるのもよいです。)

「心を込めて合わせる」というのも大事なポイント。丁寧な心で観察していると、無造作にしているときよりもずっと変化が大きい。

先日WSに参加してくれた方が、ひたすら感覚と向き合うWSの最中、「あらゆる触(しょく)は、合掌である」という言葉が浮かんだ、と感想を聞かせてくれました。

ものに触れているとき、かならず触れられています。丁寧に触れていれば、丁寧に触れられている。乱暴に触れていれば、乱暴に触れられている。ものを大切に扱うというのは、結局自分を大切に扱うということ。こういう身体感覚ベースの体験は、こころの状態にも深く関係しています。

イライラして乱暴にモノに触れている自分に気付いたら、少しだけ感覚の世界にスイッチして、丁寧に触れてみる。そんなふうにしていると、不思議と気持ちも落ち着いてくるものです。(もちろんそんなに簡単にいかない日もあるけど、それはそれで人間らしくていいよね、とゆるしてしまえばいい。)

いつでも、合掌の気持ちで、いられたらいいなぁ。私もまだまだ修行中です。

 

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丁寧に顔を洗う

最近、丁寧に顔を洗うようにしています。

念入りにすみずみまで・・・というわけではなくて、顔に触れる手を丁寧に使うようにしている、という意味で。

忙しかったりするとどうしてもごしごしと必要以上の力を使ってしまいがち。こういう時は、「手が顔を触っている」意識になっています。

丁寧に動きたいときは、感覚の方向を入れ替える。「手が触られている」のを感じながら洗おうとすると、スピードがぐっとゆっくりになって、力も抜けます。

ごしごしさっさと洗ってしまいたい自分の衝動にも気が付きつつ、ゆっくりゆっくり動かしていると、心の中にあった慌ただしさがゆっくりほどけていきます。

きっと美肌効果もあるんじゃないかと・・・思っています。

 

 

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筋トレについて②

筋トレするときに気をつけたいこと。

 

①接地面、サポートを感じる

どんな姿勢をとるときでも、手、足、ひざなど、地面に触れる場所にはしっかり感覚を持ちます。例えば床に触れる手の指が浮いてしまったり、指が縮んで伸びきっていなければ、それだけ接地面の面積が狭くなります。接地面が狭くなるということは、受け取ることのできるサポートがへってしまうということ。

どんな動作をするときも、広い接地面を感じることはからだを痛めず動くための鉄則です。サポートについてはこちら

 

②からだを長く使う

とくに背骨。がんばって動いているうちに、背骨がどんどん縮まってしまうのはNG。からだの健康全般にとって、長さがあるというのは大事なことです。背骨が縮んでしまったら、機能的に動くこともできないし、内臓、神経系にも嬉しいことではありません。

長さを保てる強度、回数にとどめておくことが大事。そうすることで、からだを長く保つための筋肉がついてきます。なれてきたら、手足も同じ要領で。

 

③反動をつけない

反動をつける動きばかりしていると、本当に使いたい深部の筋肉は眠ったまま、大きくて強いアウターマッスルが強化されてしまいます。そしてアウターが強くなりすぎると、インナーは一層感じづらくなります。

大きい筋肉をつかうと「使った感」があるけれど、それを筋トレの目標にしてしまうと、からだを整えるための筋トレにはなりません。試しに反動をつけずにゆっくり動いてみてください。難しいでしょう?反動をつけずに動こうと思うと、からだは自然に接地面をとったり、背骨を長くしたりするように反応します。

 

④呼吸を止めない

動いている間、呼吸し続けていられること。呼吸という動きがあって、その上にいろんな動作がのってくると考えてください。息を止めずに動き続けることで、長さを保ちやすくなります。

 

⑤動く前のセットアップが重要

①~④はみな、動き出す前の準備です。動きは、動き出す前が肝心!動き出す前に接地面OK、長さOK、呼吸OK、ゆっくり動く心構えOK、と確認していきます。その感覚をもったまま動き出せば、いつもと違うコーディネーションが引き出されます。そしてゆっくり動きながら、何度も何度もセットアップを確認し続けてください。長さ、接地面、呼吸、スピード・・・とぐるぐる確認し続けます。

集中力がいるので、長くは続けられないかもしれません。これらを無視して動くようになりだしたら、そこでストップ。ひと休みして、またセットアップして、もう一度やり直します。回数よりも、どれだけ意識的にからだを観察しながら動けるかということの方が大切です。

こういう風に動いていると、とても神経を使うので脳が疲労します。筋肉を鍛える、というよりは、神経系を鍛える、と思った方がいいかもしれません。いっぱいやって疲れるのではなく、一回一回を丁寧に、どうしたら疲れないかを考えて動く癖をつけましょう。

 

 

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筋トレについて①

ときどき聞かれる、「筋トレはしていいですか?」というご質問について。

筋トレは、やり方次第です。

今からだに何かしら不調がある方であれば、むやみに筋トレするよりは、まずからだの構造を整える方を優先します。

痛みがある、動きづらい、というのは、今の動き方のパターンに改善の余地がある、ということなので、まず必要なのは構造を整えて、動きの修正をして、無理のない自然な状態を取り戻してあげることです。もちろん、身体感覚を取り戻すことも絶対必要。

そうやってからだが整って、自分のからだを内側から感じられるようになった上で、新たな姿勢、動き方を定着させるために筋トレするのは大いに有効です。(今まで運動をあまりしておらず、慢性的な疲労や緊張感を抱えている方はとくに。)

効率の良くない使い方のまま筋トレをすれば、そのパターンが強化されることになります。筋力が本当に少ない場合はそれで効果もあるかもしれませんが、やはり感覚、動き方のところから見直さないと、根本的な解決にはならない可能性があります。

あと局所だけ鍛える、というのも十分注意が必要。

例えばクラシックな腹筋(仰向けで膝を立てて、上体を持ち上げるやつ)。息を止めて、勢いつけて頑張っていませんか?そうやって鍛えていると、筋肉はどんどん短くなっていくので、しなやかな動き、からだの伸びやかな動きがしづらくなっていきます。

さらにはからだの他の部分と連動させた状態で使えるように動かしていないので、結局日常動作ではあまり役に立たない、ということもよくあるんです。役に立たないくらいならまだいいのですが、縮みっぱなしでゆるむことを忘れた筋肉は、からだのつながりを失わせるブロックとなる可能性もあります。

そんなわけで、その方のおからだの状態を見て、今は整えるのが優先だなぁと思われるときは、筋トレはひと休みして、まずはからだを感じるエクササイズをお勧めしています。

ある程度整って来たら、今度は弱いところを強くしていく番。長くなってきたので、その時の筋トレの仕方の注意については、次回に書きます。

 

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イールド(委ねる)という動き

今月はお勉強月間。昨日まで4日間、先輩ロルファー田畑さんのワークショップに参加していました。

田畑さんが進化させ続けている、イールド(Yield)アプローチに基づいた、ロルフィング10シリーズのお勉強です。

イールドとは、直訳すると「委ねる」という意味。安全な足場を見つけ、そこに接地し、自身を「委ねて」「落ち着く」というのが細胞の基本的な動きです。接地し、落ち着いたところから、「広がる」動きが始まって、命は成長していきます。

生き物としての最も基本的な反応であるイールド。介入は最小限。安全な空間を維持し、からだが自発的に反応し変化していくのを見守り続けるワークです。

からだに強い圧をかけたり、たくさん動かしたりしない介入の少ないワークになれていない人は、それで変化がおこるの?とよく不思議に思われるのですが、介入が少ないからこそからだの深い反応が引き出されるということもあります。

からだの深い反応・・・つまり単純に筋骨格系をどうこうというだけでなく、神経系に深く根付いたからだのパターンは、外力を加えるだけではなかなか手が届かないところがあります。

お腹の中までさかのぼり、今に至るまで身につけてきた生存のための戦略・・・つまり、どういうときにどういう反応をするか、どうやって身を守るかという身体反応のプログラミングは、それが効率的か非効率かはさておき、経験の中で自分にとってのベストの積み重ねとして作られているので、簡単に変わるものではありません。(命にかかわる戦略を、変えたり手放したりするっておおごとです。)

思考ではなく、身体感覚のレベルで「本当に安全である」ことを理解できて初めて、からだは「ちょっと違うことをやってもいいかな」という気になるわけです。

だから変化を可能にする環境づくりは、プラクティショナーの腕次第。前半4日間のワークショップに参加して、自分の身体感覚、からだの使い方の傾向に気付くことができ、自分自身がより安定した状態でいられるヒントをたくさん得ることができました。

ワークショップ中のワークの交換で、自分のからだにもたくさんの変化が・・・。今この段階で、こんなふうに変化するなんて予期していなかったので、うれしい誤算。

来週も後半はまた4日間ワークショップでお休みしますが、そちらもどんな発見があるのか今から楽しみです。

 

 

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「リソース」を知っていますか?

リソースという言葉を聞いたことはありますか?

直訳したら「資源」。
ボディーワークの世界では、
「安心」「安全」の身体感覚を与えてくれるもの、
という意味で使われています。

(自分を元気にしてくれるいい感じのものは
みなリソースということができますが、
中毒性のあるものは含まれません。)

例えば・・・

ペットや気心しれた友人などの存在、
お気に入りのカフェなどの場所、
海、山、植物などの自然、
読書や音楽などの趣味、
お気に入りの服、ぬいぐるみなどのモノ、

などなど、探してみると身の回りには
いろんなリソースを見つけることができます。

中でも、一番身近なリソースは
「からだ」。

手足が温かい、
呼吸が気持ちよく入る、
足が安定している、
目がよく見える、
からだが軽い、

こんな感覚は、私たちをほっとさせてくれます。
(安心、安全の感覚)。

高度な知的活動をするようになったといっても、
ヒトもまた動物であることに変わりありません。

「安全である」という感覚を持つことは、
神経系の働きを安定させて、
心身の健康を保つのに絶対必要なのです。

ロルフィングをはじめとしたボディーワークは、
そんなからだのリソースを増やすのに役立ちます。

身を委ねられる地面がある
自由に動ける空間がある
気持ちよく動けるからだがある

そんなふうに、からだという、
この世で一番身近な存在を
リソースとして感じられることは、
生きていくうえでのとても大きな力となってくれます。

 

 

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足の外側は使ってはいけない、という誤解について

世の中にはどうも

「体重は内側に!」

「外側は使ってはいけない!」

という誤解があるようで、歩いたときの感じを尋ねると

「足の外側ばかり使ってしまっている」

とお答えになる方は少なくありません。

 

が、正確に言うと

「外側ばかり使っている」のではなく、

「外側がうまく使えていないから重みがかかるように感じている」

という状態であることのほうが、多いように感じています。

 

そもそも足の骨の構造は、
小指・薬指のラインがつくる外側アーチが土台となり、
その上に親指、人差し指、中指による内側アーチが乗っかるようにできています。

足の裏を見れば分かりやすいと思うのですが、
外側は皮膚が硬く、地面に接するようになっていて
内側の土踏まずはその名の通り地面にはつかず、
皮膚も柔らかいですよね。

じゃあ、構造的には使っていい場所なのに、
どうして「外側ばかり使っている」と感じるのか、
というところなのですが・・・

 

本来足の構造は、
内側アーチ、外側アーチ、横アーチの
三つのアーチに支えられていて、
このアーチがばねのように働くことで
からだを衝撃から守っています。

ところが骨格的なアーチ、
またそれを支えている筋肉、
筋膜のネットワークが崩れてしまっていると、
土台のばねが働かず、からだには強い衝撃がかかります。

ばねが効いていれば、
下に向かう体重に対して、
上に向かう床からの反力を受け取ることができますが、
ばねがなければ、重さは下に落ちるのみ。

このときの重さを感じて、
「外側ばっかり使ってるなー」と感じるようです。

そういう足の状態で、
じゃあ内側を使おう!と意図的に
親指に体重をかけるのは危険。

ますますアーチをつぶして、
偏平足や外反母趾を進めてしまう可能性もあります。

まず大事なのは、足のアーチがちゃんと使えるように、
ふだん使えていない足の内在筋を鍛えてあげること。
ロルフィングのセッションでも
足指については口酸っぱくいっておりますが、
足指トレーニングは本当に大事です。

足の内在筋は鍛えづらくて衰えやすい・・・
だから根気よく、継続しなければなりません。

 

最後に外側アーチ衰え度チェックをご紹介しておきます。

足の小指側のラインを見てみましょう。
小指の付け根から踵までのちょうど真ん中あたり
(足の縦の長さの中間あたり)にくびれはありますか?
それともぽてっと柔らかい肉が余っている感じ?

ラインが全体的にたるんでる感じだと
あんまり足の外側はうまくつかえてないかもしれません。
しっかり使えている足は、ラインが引き締まってくびれがあります。

この「外側アーチのくびれ」、
個人的にはからだのなかでとても魅力を感じる場所で、
これがきれいだと「おっ!」ってなります。

 

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音と空間

最近、歩いているとき
「音」をよく聞いています。

近づいて遠ざかっていく車の音
頭の上から聞こえる鳥のさえずり
遠くの方から聞こえる電車の音
後ろを歩く人の足音

聴覚は視覚とともに
空間を作ってくれる大事な感覚。

左右それぞれの耳に入ってくる
音の大きさや時間の差を使い、
前後左右上下、立体的に音を認識しています。

目も耳も前を向いているので、
私たちの空間認識はどうしても前方に偏りやすい。

空間意識に偏りができると、
それはそのまま姿勢に表れます。

なので積極的に、
後方、頭上、側方の音を聞いてみるとか、
前から後ろへ、右から左へ、近くから遠くへと、
空間を移動していく音を追いかけるように聞いていると、
自分のからだの周りを全て取り囲むようにある
空間が復活してきます。

立体感のあるからだには、
立体感のある空間が必要。

オフィスワークで疲れたからだには、
遠くの音や後ろの音、
頭上の音などがよく効きます。

 

 

 

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