最近、ときどき着物を着ます。
着るの自体も楽しいのだけど、動いてみるとなお楽しい。
いい歩行をしていると、上半身と下半身が反対方向にねじれるような動きが自然に起きるのですが、洋服のときはだいたいみぞおちの裏側当たり、高い位置で始まるのに対し、和服だとそれが股関節のあたりの低い位置に起こるみたい。
ロルフィングのセッションを受けた人は、みぞおちから脚、なんて聞いたことがあるかも。そうやって大腰筋をフルに生かして歩くと、歩幅も腕の振りもぐぐっとおおきくなる。
けれども着物をきたら歩幅は半減。ねじりのポイントも帯で固定されているので洋装とは同じ動きはできません。そんなわけで、股関節の可動性をフルに生かした、よりプッシュの強い歩行になるのかな。
このねじれのポイントが下がると、地面をすごく近くに感じるようになります。からだの中心が下丹田に下がって、下半身が充実して頭は涼やかになる感覚。パソコンで疲れたときなんかは、着物を着てお散歩に行くとすーっとからだが楽になります。(着物きてデスクワークするのも、帯が支えてくれるので楽ちん)
逆に言うと、股関節がうまく動けないと和装歩きはとても疲れるかも。洋装歩きを持ち込んだら着崩れしまくるし。着るものによって歩き方を使い分けられたら、とてもスマートだ。
ハラを重視してきたアジア人の身体観は、こんなふうに衣服とつながっているのだなぁ。しばらく着物の研究は続きます。着付けの練習も。
きれいに着るのはむずかしいよ。