気分で姿勢を持ち上げる

歩き方を変えていくときに、ロルフィングでは感覚をよく使います。

例えば、足裏が地面に触る感覚とか、頭の上の空間とか、からだと外界の関係性を取り戻すような感覚を呼び起こすことで、からだの自然な反応として姿勢を整えていくわけです。

(胸を張る、脚の内側に力を入れる、みたいなパーツのコントロールになってしまうと、必要以上の力を使って不自然になるのでNG。)

とくに10回のセッションのはじめの方では、今まで作られてきた歩き方のパターンを崩すために、丁寧にこういう感覚に目を向ける時間をつくります。

ただセッションが進んでいくと、からだの統合もずいぶん進んで歩き方も洗練されてくるので、今度は細かい感覚のフィードバックを頼りにするのではなく、新しいパターンに一気に持っていくやり方も大事になってきます。

そこで便利なのが「気分(ムード)」にフォーカスすること。

セッション直後の、スムーズで楽に歩けているときの気分を記憶しておいて、うまく歩けていないな、と気付いたときに、その気分を呼び起こす、というやり方です。

 

よくあるのは、

「ワクワクする」

「どこまででも歩いて行けそう」

「明るい」

「ぶれない」

「自信に満ちている」

「嬉しい」

といった気分。

 

で、気分というものは必ずからだの感覚に紐づいているので、こういった気分を支えてくれるものとして

・視野の広さ

・視界の明るさ

・心臓のバイブレーション

・肚の力

・安定した足

といった感覚があるわけです。

 

つまり「どこまでも歩いて行けそうな気分」というパッケージで、それを支えるからだの感覚を呼び起し、最適な歩き方を引き出してしまおう、というやり方。

 

姿勢によって気分を変えることができる、というのは、エイミー・カディーの「パワーポーズ」でも有名な話ですね。

もしかしたら最初は、姿勢から気分に気付く方がやりやすいかもしれません。まずはいい姿勢、楽な姿勢のときに、どんな気分になっているかに気付く練習。

それに慣れて、感覚を介したからだと気分のつながりが分かるようになると、気分からからだを変えていく、というのもできるようになっていくはず。

 

私はこれをバレエのレッスンのときによく使います。

順番覚えるのでいっぱいいっぱいで委縮してしまってる自分に気付いたときや、体調いまいちでどんより重い気分のとき、「踊るのがハッピーで仕方ない」気分(言語化するのが難しいのですが、胸の中心が明るくなって、その輝きがからだの外の空間まで広がるような感じ)を呼び起こして立て直しています。

そういえばボルダリングのときはやったことがなかった!今度試してみます。

 

(エイミー・カディー、ご存じない方はこちらをどうぞ。日本語字幕あります。)

 

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