「お腹に力が入らない」と悩んだり、
「お腹に力を入れるよう意識してます」と頑張ったり、
とかく重要視されている「お腹の力」。
たしかに大事ではあるのですが、
「お腹に力を入れる」
というのはあんまり正しくありません。
どちらかというと、頭のてっぺんからつま先まで、
全身が連動して、強調して働いて、
自然と腹筋が働いて「力が入る」のが正解。
目的として「力を入れる」ことと
結果として「力が入る」の違い。
なんとなく分かりますか?
例えば毎日筋トレして腹筋を鍛えても、
その腹筋がからだの他の部分と連動して動くように
プログラミングされていなければ、
それは使える筋肉にはなりません。
逆に硬く鍛え過ぎることで、
からだの流動性を止めてしまう
ブロックになる可能性があります。
腹筋には4つの層があって、
外側から順に、
● 腹直筋
● 外腹斜筋
● 内腹斜筋
● 腹横筋
という筋肉があるのですが、
意識的であれ無意識であれ、
「お腹に力を入れる」をしていると
外側の層が固まって内側が使えていない、
という状態がよくあります。
良かれ、と思って入れている力が
実はコアを弱めている、という状態。
こういうときは、まずはお腹の力を抜く練習をします。
とくにみぞおちのあたり(腹直筋の上部)がカチカチだと
呼吸が浅くなったり、消化器系の不具合もよく見られるので
ここを緩めておくことはとても大事。
立っているときだけでなく、
座っているときも意外にお腹に力が入っているもの。
とくにストレス下で作業をしていると
ぎゅーっと力が入ったままになっていたりします。
からだは繋がっているので、
お腹に力が入るということは、
その裏の腰、背中にももちろん影響します。
腰痛持ちの人が、腰痛には腹筋が必要だからといって
座っているときもお腹に力をいれてたりすると
それは腰痛を助長することにしかなりません。
疲れてきたな、と思ったら
お腹の力を抜いてみましょう。
それで腰が楽に感じたり、
呼吸が深くなれば、そちらの方が正解。