じぶんの手を開いて、眺めてみて、
指先まで「わたし」がちゃんと入っている感じはありますか?
意味がわからなければ、
●指先まで氣が満ちているか?
●指先まで意識が通っているか?
●指先まで温度を感じることはできるか?
●目をつぶっても、手の輪郭をはっきり感じることができるか?
を感じてみて。
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“fit”という単語を辞書で引くと
1. be of the right shape and size for.
(形や大きさがぴったりであること)
2.install or fix (something) into place.
(何かを場所に納めること)
とあります。
日本語で「フィット」を検索すると、無印の体にフィットするソファがトップにでてくる(!)のだけど、一般的にこの言葉に対して私たちは、
入れ物と中身が隙間なく、窮屈でもなく、ぴったりと合わさっていて、心地よさが生じる状態
というイメージを共有しているはず。
下着も洋服もソファも、フィットしていると気持ちいい。
でも自分がからだにフィットしているかどうかって、考えたことはある?
英語だと 「元気です」という意味で “I’m fit”と言うのだけど、学生時代に
「こころとからだがフィットしている=元気、という意味なんだよ」
と聞いたときは目からウロコがおちました。
(元ネタが見つからないので真偽のほどは分からないのだけど・・・それでもそういうアイデアは役に立つので、今も採用している。)
簡単に言うと、からだの隅々まで、浅いところから深いところまで、途切れることなく感覚があるか、ということがフィット感の元になる。
動こうとする「わたし」と、実際に動く「からだ」との間に、矛盾がない状態。
こういうフィットした状態で動くと、本当に気持ちがよくて、からだがあるだけでこんなに気持ちがいいなんて、なんて得なんだろう!っていつも思う。
あと自分のサイズ感も、生きてるうちに大きくなりすぎたり(意識がからだをはみ出てる)小さくなりすぎたり(意識が縮こまっている)してることがよくあります。
そうなると、なんだか窮屈で動きづらかったり、からだの大きさを持て余して動きずらかったり、あとは人やモノとの距離感にも影響がでてきたり。
フィットした状態に戻って初めて、ああ大きすぎたんだ/小さすぎたんだ、と気付く。
分かる人には分かるし、まだこのフィット感を体験したことがない人にはたぶん???な感覚。でもこれを知らないでいるのはもったいないなぁって思うのです。だって本当に気持ちがいいから。
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もし興味があれば、「フィット感」を意識して生活してみて。
フィットさせようと思って何かするというよりは、どんなときフィットしているのか、どんなときずれるのか、を観察するとよいです。(ずれてるときは、からだをはみ出しちゃってることもあれば、縮こまっていることもある。)
で、ずれちゃった「わたし」と「からだ」をフィットさせるには、例えばこんなやり方があります。
●マッサージ
ぐいぐいもみほぐす、ではなくて、自分のからだの輪郭はこれだよ、と脳に教えてあげるイメージで、「触れられる」感覚にフォーカスしてやってみる。スピードや強さ、動かし方を変えると、どんなふうに触られた感覚は変化するか。ひたすら自分が気持ちいい感覚を追求してやる。
●お風呂に入る
水圧がまんべんなく皮膚にかかることでからだの輪郭がはっきりする。お湯の温かい心地よさを味わって、からだの芯から末端まで、凍ってた感覚がほどけていくようなイメージで。
●しっかり伸ばしきる
「手を伸ばして」といっても、指先までピンと伸ばせない人けっこう多いです。手にしても足にしてもどんなパーツでも、日常生活の中で「伸ばしきる」という動作は少ないので、伸ばしたつもりでも、指がふにゃふにゃっだったり、膝とか足首が曲がってたりします。ふだんヨガとか何かエクササイズをやっている人は、末端までしっかり伸ばすことを意識して。でもこれも形だけ伸ばすのではなく、内側から伸びるのをイメージしましょう。「骨を伸ばす」とイメージするとやりやすいかも。
一言で言ったら、フィット感がなくなる主な原因は冷えと緊張なので、冷えてるところを温めて、固まってるところはほぐして、全身の温度と緊張のムラをなくしてあげる、って感じです。
とくに冷えると感覚はなくなりやすいので、今の時期は足の指なんかせっせと触ってあげるとよいです。足首もよく回して、末端のズレを整えてあげて。
こころ(意識)とからだのフィット感、観察してみましょ。